毎年2月~3月は確定申告の時期ですね。私も毎年、確定申告期間が始まってすぐに提出しています。行政書士としての青色申告は今年が初めてでした。私はここ数年、電子申告(e-Tax)を利用して確定申告をしています。税務署に行って長時間並ばなくていいですし、証明書類の添付も省略できるので楽です。
青色申告は複式簿記をちゃんとつけないといけないので、「簿記の知識がないと出来なんじゃないの?」と不安な人も多いかと思います。しかし、クラウド青色申告ソフトやよいの青色申告 オンライン(セルフプラン、初年度無料)を利用すれば、簿記の知識がなくても全く問題ないです。(事務所の経営者として、簿記の知識があった方が良いのは間違いないですが)
ぜひ、この記事を確定申告に役立てて下さい。
やよいの青色申告オンラインの登録方法と使い方、確定申告の流れ
- やよいの青色申告 オンライン(セルフプラン、初年度無料)に登録する
- かんたん取引で勘定科目を入力していく(開業費に注意)
- 入会金は任意償却不可
- 入力が終わったら確定申告書作成へ
- 減価償却費の計算
- 青色申告決算書、仕訳帳・総勘定元帳の作成(入力が終わってたら勝手にやってくれる)ダウンロードして印刷し、必ず7年保存
- 確定申告書の作成(国民年金や生命保険・医療保険などの控除は忘れずに入力、e-Taxで申告の場合は証明書類の省略が可能)
- 提出
ひとつずつ説明していきます。
やよいの青色申告オンラインに登録する
やよいの青色申告 オンラインの「申し込む」ボタンをクリックし、料金プランを選択する。おすすめはセルフプランです。操作質問がしたい人はベーシックプラン、それに加え業務相談もしたい人はトータルプランを選んで下さい。個人的な意見を言わせて頂きますと、初年度は無料で全機能が使えるセルフプラン一択です。
料金プランを選択したら、弥生IDの新規登録をします。メールアドレスの確認などを済ませたら、「弥生マイポータル」から「やよいの青色申告オンライン 製品を起動する」をクリックします。「やよいの青色申告オンライン」が立ち上がるので、「かんたん取引入力」で開業費や事務所の備品購入や交通費などを入力していきます。
【やよいの青色申告オンライン】かんたん取引入力で勘定科目を入力していく
レシートや領収証などを用意し、「かんたん取引入力」で、
- 取引日
- 科目
- 取引手段
- 摘要
- 金額
を入力していきます。
「科目(勘定科目)」でたまに迷うことはあるかもしれませんが、その場合は「○○ 勘定科目」のようにネットで検索すれば解決します。大体は税理士の先生が詳しく解説してくれているページが見つかります。
行政書士業の場合は小売業や製造業などと比べて仕訳の数も種類も少ないと思いますし、ソフトにもどんな支払がその科目にあたるのかの例が書いてありますので、そんなに悩むことはないと思います。私も勘定科目が分からなくて困ることはありませんでした。
注意点は、「取引手段」の「現金」と「現金(個人用)」の違いくらいでしょうか。事務所のお金ではなく、個人のポケットマネーから支出した場合は「現金(個人用)」を選びます。
「摘要」は何を買ったのか、何に使ったのかをメモすればOKです。
「かんたん取引入力」の他にも、銀行口座やクレジットカードの取引データを取り込んで勝手に入力してくれる「スマート取引取込」や、普通に手動で仕訳をしていく「仕訳の入力」という方法もあります。私は今回の確定申告では「かんたん取引のみ」利用しました。次はスマート取引も利用するつもりです。事務所専用の口座とクレジットカードは持っていますし、かなり楽そうなので。
取引はこまめに入力しておくのが大切ですね。1年分一気にやろうとするとかなりの量になって大変です。
開業費、繰延資産の任意償却について
開業費には少し注意が必要です。開業費になるのは、開業日以前に開業のために使ったお金です。事務所の備品(プリンタやパソコンや印鑑・名刺代や事務所経費など)や行政書士会への入会金などが開業費にあたります。
少し難しいかもしれませんが、開業費は「繰延資産」と呼ばれ、任意償却が出来ます。簡単に言うと、自由に償却期間と償却額を決めて経費として計上し、利益と相殺することで節税効果が期待出来ます。
例えば、開業費として100万円使ったとします。その場合、その100万円を自由に利益と相殺することが出来ます。もし、初年度に利益が出ず、赤字だった場合、開業費の償却しない。2年目は少し利益が出たので、100万円の開業費のうち、20万円を償却して節税する。3年目は行政書士業が軌道に乗り、たくさん利益が出たので、残りの80万を全部償却して節税する。
このような償却の仕方が可能です。
行政書士会への入会金は任意償却不可な開業費なので5年間の均等償却になります。入会金で25万円払った場合、5年間で0円になるまで均等償却することになります。やよいの青色申告オンラインでは入力すれば勝手に計算してくれます。
他にも、「20万円以上の備品等」「10万円以上20万円未満の備品等」も任意償却不可なので注意して下さい。こんな高額な備品を開業費として使っている人はあまりいないと思いますが一応。
【やよいの青色申告オンライン】取引入力が終わったら確定申告書類の作成へ
まず、メインメニューの「確定申告」をクリックし、申告方法を選びます。電子申告(e-Tax)を利用してパソコンで確定申告をするか、「やよいの青色申告オンライン」で作った確定申告書類を印刷して、税務署へ持参または郵送して提出する方法の2つから選びます。
マイナンバーカードとICカードリーダーがある人は電子申告がおすすめです。税務署への持参はかなり長い時間並ぶことになりますし、郵送も面倒ですからね。
減価償却費の計算
事業で使う車やパソコンなどの10万円以上の資産、先ほどの「開業費」などを計算します。
青色申告決算書、仕訳帳・総勘定元帳の作成
まず氏名や住所などの基本情報入力し、次に売上や仕入の入力画面に進みます。かんたん取引で入力してるので抜けがないか確認する感じですね。
次は経費の家事按分画面です。自宅事務所の場合の家賃、水道光熱費や通信費などの事業とプライベート共用のものにかかった支出を経費として申告するために、事業で使用している割合を設定します。「家事按分の考え方」の説明などを参考に割合を入力します。
そして、次の3つの項目へ進みます。
- その他の経費
- 家族・従業員の情報
- 消費税
この3つは初年度はあまり関係ない人が多いと思いますが、当てはまる人はソフトの説明に従って入力しましょう。
最後に最終確認をして完了です。
青色申告決算書、仕訳帳・総勘定元帳は必ずダウンロードして印刷し、7年間保存しましょう。ダウンロードボタンがありますのですぐ分かると思います。
確定申告書類の作成
基本情報を入力します。確定申告書類の提出先の税務署名、連絡先電話番号や、還付金の受取口座情報などを入力します。
源泉徴収→所得の画面と進みます。所得の画面では色々と入力することが多いですが、ソフト上の質問に答えていくだけでいいので簡単です。行政書士業以外に給与所得や、雑所得がある人は「所得の入力 総合課税の所得」の画面でしっかりと入力しましょう。
次は所得控除の入力画面です。ここでは社会保険料控除・生命保険料控除について入力します。国民年金保険料や、生命保険や医療保険料などを払っている人は入力しましょう。
所得税額→延納・その他→住民税・事業税と進みます。画面の説明に従って進めばOKです。
最後に別途提出が必要な書類や還付金の額など最終確認をします。電子申告(e-Tax)の場合は証明書類の省略が可能です。添付を省略しても、証明書類は捨てずに大切に保存しておきましょう。
関連リンク:e-Taxを利用して所得税の確定申告書を提出する場合の「生命保険料控除の証明書」などの第三者作成書類の添付省略の制度について教えてください。
所得税確定申告書も必ずダウンロード&印刷して保存しておきましょう
確定申告書類を提出する(e-Tax、郵送)
- やよいの青色申告オンライン上でe-Tax
- 確定申告書類をダウンロード&印刷して税務署へ持参 or 郵送
- e-Tax申告データをダウンロードして、e-Taxソフト(WEB版)で申告
提出方法は上記の3つの方法があります。私は3の「e-Tax申告データをダウンロードして、e-Taxソフト(WEB版)で申告」という方法を選びました。
関連記事:【確定申告 e-Tax】ICカードリーダー「SONY PaSoRi RC-S380」のセットアップ方法、NFCポート自己診断が見つからない時の解決法【マイナンバーカード】
最後に
やよいの青色申告 オンライン(セルフプラン、初年度無料) を使って確定申告書類を作ってe-Taxソフトで提出しましたが、思っていたよりもかなり簡単でした。青色申告はメリットも多いので、複式簿記ということで迷っていた人も、ぜひ挑戦してみて下さい。