行政法と同じく、民法も「暗記事項」のまとめ整理を作っていきます。
平成29年度の行政書士試験の勉強では、民法の暗記項目はスー過去の参考書まとめ部分にマーカーでチェックを入れておくか、図表を写真で撮っておいて、それをパラパラと見るという方法を取っていました。
今回の行政書士試験に向けては、民法も集中的に暗記事項をピックアップ・整理してしっかりと覚えてしまおうと思います。
もちろん行政法の暗記まとめ記事と同じく、この記事で民法の全暗記事項を網羅しているというわけではありません。個人的にややこしくて区別がしにくいものや、問題集で何度も間違えたり理由がしっかりと言えなかったりしたものに絞っています。
※2018年11月時点の内容です。特に注意して覚えておきたいものは太字にしています。ちゃんと調べてまとめたつもりですが、法改正や内容に間違いなどあるかもしれません。もしこの記事を参考にしてくださる方は、自分でも一応条文やテキストで確認することをおすすめします。
行政書士試験対策 民法のおすすめテキスト『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ5 民法1一総則・物権・担保物権[法改正対応版]』はこちらの記事で紹介しています。
関連記事:行政書士試験 独学 民法のおすすめテキスト・問題集「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 民法(スー過去)」択一も記述もこれでOK
この記事は平成30年の行政書士試験本試験の日まで、何度も追加更新していきます。私自身もこの記事をブックマークしておいて、ちょっとした時間や試験直前期などに暗記&確認するつもりです。
※追記 おかげさまで、平成30年度行政書士試験に合格することが出来ました。(択一式182点、記述式52点、合計234点)私の行政書士試験受験記(178点不合格体験記、合格体験記両方アリ)などは、カテゴリ:行政書士試験 受験体験記をどうぞ。
民法が例外的に定める無過失責任主義の規定
- 無権代理人の責任
- 売主の瑕疵担保責任
- 請負人の担保責任
- 土地工作物の所有者の責任
など。
民法 占有改定の方法OK
譲渡担保権設定(質権設定・即時取得はダメ)
占有改定による引渡しは贈与の「履行の終わった部分」に当たる
民法 登記の欠缺を主張する正当な利益を欠く者
- 背信的悪意者
- 不法行為者
- 不法占拠者
- 無権利者
- 詐欺または強迫によって登記申請を妨げた者
- 他人のため登記申請をする義務のある者
登記なくして第三者に対抗できるケース
弁済による抵当権の消滅
混同による抵当権の消滅
存続期間が満了した不動産質権の消滅
民法の年数関係
取消権の消滅:追認できる時から5年、行為の時から20年
占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内
逃走した家畜外の動物の飼養主は動物が占有を離れた時から1ヶ月以内なら善意の占有者にも引渡請求出来る
遺失物・盗品の回復:盗難・遺失の時より2年以内
賃借権の存続期間は最長20年(建物の所有を目的とする借地権の場合は借地借家法により、普通借地権は原則30年、定期借地権は50年以上)
処分につき行為能力の制限を受けた者の短期賃貸借の期間:山林以外の一般の土地は5年以内、建物の場合は3年以内、動産の場合は6ヶ月以内
抵当権の消滅時効期間:20年
詐害行為取消権の短期消滅時効:取消しの原因を知った時(債務者が債権者を害することを知って法律行為をした事実を、債権者が知った時)から2年、行為の時から20年。(債権者代位権には短期消滅時効の規定なし)
請負人の担保責任の存続期間:目的物の引渡し後1年、引渡しを伴わない請負の場合は仕事完成から1年以内。しかし、土地の工作物または地盤の瑕疵については5年、石造、土造、煉瓦造、コンクリート造、金属造の工作物は10年。
売主の担保責任の追及は、買主が原因となる事実を知った時から1年以内権利行使できる。引渡しされたときから10年で消滅時効にかかる
必要費・有益費は貸主が目的物の返還を受けた時から1年以内に行使
債務不履行責任の消滅時効期間:10年
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効期間は被害者またはその法定代理人が損害と加害者の双方を知った時点から3年、不法行為の時点から20年で消滅(除斥期間)
相続の放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述。
民法 総則
事理を弁識する能力を「欠く状況」「著しく不十分」「不十分」
成年後見人に同意権はない→同意を得て法律行為をしても取り消すことができる
心裡留保は原則有効、相手方が悪意有過失の場合は無効
無権代理の催告は相手方の善意悪意を問わない、取消は善意、責任追及(履行か損害賠償請求)は善意無過失
時効の援用権者として認められないのは、後順位抵当権者、借地上の建物の賃借人、一般債権者
時効の中断事由は、裁判上の請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認
民法 物権総論
解除前の第三者は、登記があれば所有権を対抗できる。(善意じゃなくていい)
遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができない。(自分のもともとの相続分は登記なしで対抗できる。)
受寄者はいつでも寄託者の返還請求に応じなければならず、引渡しの欠缺を主張する正当な利益がないので、178条の第三者に当たらない。
即時取得の要件は、「目的物が動産」「前主との有効な取引行為」「前主に占有があり、前主が無権利」「平穏公然善意無過失に占有を取得」
強制競売も192条の取引行為にあたり、即時取得が成立し得る
不動産物件変動 法律行為の取消し・解除と登記:取消し前に出現した第三者以外は全て登記の先後
賃借人が建物を占有している場合、賃貸人にも占有権が認められる
賃借人によって代理占有する場合、賃貸借関係が消滅しても代理占有は当然には消滅しない
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失した場合、所有の意思のない占有者は、損害の全部の賠償をする義務を負う。善意の占有者は現存利益(建物が焼けただけなら賠償しなくていいが、火災保険金があれば返還)。(所有の意思のない占有者の代表例は、賃借権がないのにあると誤信して占有をしている者など)
占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は占有者の負担。
占有者から回復者への必要費、有益費の「請求額」は占有者の善意悪意によって違いはない。
占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることはできないが、本権に基づく反訴を提起することはできる。
承役地を第三者が不法占拠している場合、地役権者は妨害排除請求はできるが、土地の明渡請求はできない
民法 物権 担保物権
分割・一部譲渡によって生じた隣地通行権は、通行の対象となる土地に特定承継が生じた場合でも消滅しない。
共有物の賃貸借契約を解除するためには、各共有者の持分の価格の過半数の同意が必要。
地役権は、設定行為に別段の定めがない限り、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となる。(地役権の付従性)
留置権には、物上代位性が認められない。
借地人の建物買取請求権の行使によって発生した建物代金債権と土地については、債権と物との牽連性が認められる。
債務者は債権額に対し相当の担保を供して、留置権の消滅を請求できる
留置権者に管理義務違反行為があった場合には、債務者は留置権の消滅請求ができるようになる
責任転質がなされた場合、質権者は転質をしなければ生じなかったであろうという損害については、不可抗力によって生じたものでも質権設定者に賠償責任を負う
債権質においては、質権者は元本や利息を第三債務者から直接取り立てることができる(差押手続は不要)
転貸賃料債権については、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、物上代位することができない。
抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することが出来る。
抵当権設定当時に土地及び建物の所有者が異なるときは、抵当権の実行による競落の際に土地及び建物が同一人に帰属していても、法定地上権は成立しない。
一番抵当権を土地に設定した時点では土地及び建物の所有者が異なる場合、二番抵当権を土地に設定した時点では土地及び建物が同一人に帰属していたとしても、一番抵当権が消滅しない限り、法定地上権は成立しない。
土地の共有者の一人が自己の持分に抵当権を設定した場合、その共有者が地上建物を単独所有していたとしても、法定地上権は成立しない。
更地として評価されて抵当権が設定されていることが明らかであれば、抵当権者があらかじめ建物の築造を承認していても、法定地上権は成立しない
抵当権設定時にすでに建物が存在していた場合には、後に建物が滅失してそのあとに新たな建物が再築されても、法定地上権が成立する。
抵当権設定時にすでに建物が存在していた場合には、建物が未登記または移転登記未了であっても、法定地上権が成立する。
抵当不動産について地上権を取得した者は、代価弁済をすることはできるが、抵当権消滅請求をすることはできない。
債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する。
根抵当権には付従性、随伴性なし。(元本確定すればあり)
目的不動産の譲受人は、譲渡担保権設定者が譲渡担保権者に対して有する清算金支払請求権につき、消滅時効を援用することができる。
集合動産譲渡担保権と動産先取特権が競合した場合、集合動産譲渡担保権が優先
民法 債権
全部他人物と抵当権等の制限がある物は、1年の権利行使期間の制限なし
担保責任で1年の権利行使期間のある物は、善意の場合は知った時から、悪意の場合は契約の時から
善意の売主からの解除は、他人物であることに善意の買主には損害を賠償して解除、悪意の買主には通知して解除だけでOK
債務不履行には債務者の帰責事由が必要
債務不履行による損害賠償請求権の消滅時効の起算点は、本来の債務の履行を請求できる時。
不法行為による損害賠償請求権の履行遅滞の起算点は不法行為時。消滅時効の起算点は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時。
金銭債権を代位行使する場合、直接自己への給付を請求することができる。
受益者が善意であっても、転得者が悪意であれば、詐害行為取消権を行使することができる。
債権者代位権は、原則として被保全債権の弁済期前には行使できない。(詐害行為取消権はできる)
詐害行為取消権の要件は、行為時と取消権行使時の両時における債務者の無資力
詐害行為取消権は必ず訴訟上の行使、被告は受益者または転得者
詐害行為取消権:受益者が悪意なら価格賠償の請求、転得者が悪意なら目的物の返還請求ができる
異議をとどめない承諾:譲受人の善意無過失が必要。物上保証人、保証人の担保は復活しない、債務者兼設定者は復活する。
弁済→異議をとどめない承諾→第三取得者が登場のパターンは担保復活
連帯債務:基本的には相対効だが、絶対効があるのは「請求・更改・相殺・弁済等・混同・時効」
検索の抗弁権:催告をした後でも、「主たる債務者に弁済をする資力があり」「執行が容易なことを証明して」「まず主たる債務者の財産について執行すべきこと」を主張できる権利
保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合には、債務が弁済期にあれば、あらかじめ求償権を行使することができる。
主たる債務者の通知義務は、委託を受けた保証人に対する事後通知だけ。(保証人は委託の有無、事前事後問わず通知義務あり。)→不要なのは主債務者から受託保証人への事前通知と主債務者から受託のない保証人への事前事後通知の3パターン
共同保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときは、他の共同保証人に対して求償権を有する。(連帯債務者の場合は負担部分を超えない額の弁済をした場合でも、他の連帯債務者に対し、負担部分の割合で求償することができる)
法律上の利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない
債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、単独で抵当権を実行できるが、配当については債権者が代位者に優先する。
第三取得者の取得前に保証人が弁済した場合、保証人は、あらかじめ抵当権の登記にその代位を付記しなければ、第三取得者に対して代位することができない。第三取得者の取得後に保証人が弁済した場合は付記登記は不要。
必要費は直ちに、有益費は賃貸借終了のときから請求可
同時履行の抗弁権が付いた債権を自働債権として相殺することはできない。
不法行為による損害賠償請求権を受働債権として相殺することはできない。(自働債権として相殺はOK)
売買の目的となる権利の一部が他人に属する場合において、売主がこれを取得して買主に移転することができないときは、買主は、善意・悪意にかかわらず、不足する部分の割合に応じて代金減額請求をすることができる。
売主の瑕疵担保責任には債権の消滅時効の規定の適用あり。目的物の引渡時から10年経過すれば契約の解除又は損害賠償請求をすることはできなくなる。
賃貸借契約の存続中は、賃貸人が同意しない限り、賃借人は延滞賃料などを敷金から控除するよう請求することができない。
民法 親族
婚姻の届出自体について当事者間の意思の合致があったとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力を生じない。
婚姻の取消しは、家庭裁判所に対して請求する必要がある。
内縁の成立の日から200日を経過した日に生まれた子であっても、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、嫡出の推定を受けない。
養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって縁組の承諾が出来る。(15歳以上の場合はダメ)
第三者の金銭債務について親権者が自ら連帯保証するとともに、子の代理人として同一債務について連帯保証をし、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定する行為は利益相反行為にあたる。
父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害する場合、子は親権停止の審判を請求することができる。(親権喪失の審判は著しく困難又は不適当、著しく子の利益を害する場合に請求できる)
未成年後見人がある場合も、成年後見人がある場合も、家庭裁判所は更に未成年後見人、成年後見人を選任することができる。
共同相続人の1人が他の共同相続人を後見している場合に、後見人自らが相続放棄をした後に被後見人全員を代理してする相続放棄は、利益相反行為に当たらない。
法律上当然に互いに扶養する義務を負うのは直系血族及び兄弟姉妹。(特別の事情がある場合は家庭裁判所が3親等内の親族間に扶養の義務を負わせることができる)
相続欠格の対象になるのはすべての推定相続人。相続人の廃除の対象になるのは遺留分を有する推定相続人に限られる。
身元保証は相続の対象にならない。
賃貸借契約に基づく賃借人の債務の保証は相続の対象になる。
包括遺贈の承認・放棄は熟慮期間内にしなければならない。(特定遺贈の場合は自由にすることができる)
贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。
遺留分減殺請求権は形成権であって、その権利の行使は受贈者又は受遺者に対する意思表示によってなせば足り、必ずしも裁判上の請求による必要はない。
その他 民法暗記事項
表意者に重大な過失があった時は表意者は、自らその無効を主張することができない。相手方及び第三者もダメ。
代理権の濫用の場合、代理行為は有効で本人が責任を負う。しかし、相手方が代理人の意図を知り、または知ることができた場合は、本人は責任を負わない。
無権代理人がした契約は、本人が追認をしない間は相手方が取り消すことが出来る。契約時に代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、取り消すことができないが、過失によって知らなかったときは取り消すことができる。
所有権は消滅時効にかからない。
最後に
民法は範囲が広くてどこまで手を広げるか迷いますが、出来る限りたくさんの知識を正確に覚えていきたいですね。今年の行政書士試験では記述もしっかりと得点したいので頑張ります。
勉強が進むにつれ覚えにくい部分がハッキリしてくると思うので、どんどん追加していきます。
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