今日は、行政書士試験の記述式の採点についてです。試験が終わると「記述の採点は甘いの?厳しいの?」「自己採点と点数が違うのはなぜ?」と気になって、落ち着かない人も多いと思います。
私自身、平成29年度は記述でほとんど点が取れずに178点で不合格になり、平成30年度は記述で52点を取って合格しました。記述の点が合否を分けた立場から、採点の仕組みと、甘い年・厳しい年の違い、試験後の自己採点のしかたをまとめます。
採点基準は公表されていないので、不安になるのは当然です。分かっている事実と、推測の部分を分けて見ていけば、試験後の過ごし方も決めやすくなるはずです。
結論:行政書士試験の記述式は3問60点、採点基準は非公表
行政書士試験の記述式は、行政法1問・民法2問の計3問で、1問20点の合計60点です。どの語句で何点もらえるかという採点基準は公表されておらず、合否通知書で初めて自分の点数が分かります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記述式の配点 | 3問・各20点(計60点)。40字程度で書く |
| 合格基準 | 法令等が満点の50%以上、基礎知識が40%以上、全体が60%以上(180点以上) |
| 合格基準の補正 | 問題の難易度によって、補正的措置がとられることがある |
| 合格発表 | 令和8年度は2027年1月27日(水)の予定 |
| 自分の点数 | 合否通知書に、記述式を含む得点が書かれる |
記述式は60点もあるので、ここの採点で合否が変わる人は少なくありません。試験後に記述の採点が気になるのは、そのためですね。
記述の採点は甘い?厳しい?年度によって部分点の付き方が違う
行政書士試験の記述式の採点は、年度によって厳しく採点されたり甘く採点されたりすると言われています。各予備校の行政書士試験講師の先生方も、そうおっしゃっていますね。例えば、択一の平均点が低ければ記述式の採点が甘めになる、といった見方です。ただし、これは試験研究センターが説明しているものではなく、受験生や講師の推測です。
令和元年度は「甘かった」と言われた
この記事を最初に書いたのは令和元年度の試験の後でした。当時、「行政書士試験 記述採点 甘い」「行政書士試験 記述 おかしい」といった検索で、このサイトにたどり着く人が結構な数いました。
X(旧Twitter)などで検索してみたところ、令和元年の行政書士試験の記述式の採点はかなり甘くされていたようです。実際に返ってきた点数が、予想より15点~20点以上高かったという人も多くいました。解答の再現などを見ても、やはり甘めの採点がされてる感じはしました。キーワードがかなり幅広く設定されていて、書けていればかなり部分点を貰えた感じでしょうか。
受験する側としては、予想より高い点数で返ってくるのは大歓迎ですよね。
私の受験した年:平成29年度は14点、平成30年度は52点
平成29年度は、記述がほとんど書けず、記述式の得点は14点でした。合計は178点で、あと2点足りずに不合格です。このときは試験後にLECの記述採点サービスを使いましたが、実際の点数よりも低く採点されていました。予備校の採点は厳しめだと感じました。
平成30年度は記述がかなり書けていて、予備校の解答例ともほぼ同じでした。高得点はもらえると思っていたので、採点サービスには出していません。結果は52点で、合計234点で合格できました。
それぞれの年の詳しい点数と解答の再現は、次の記事に書いています。
あわせて読みたい:【落ちた】行政書士試験 不合格体験記(178点・独学)と敗因分析【平成29年度(2017)】
あわせて読みたい:【行政書士試験 合格体験記】合格通知書のハガキで驚愕の事実が判明&記述の採点基準は?
近年の傾向:指定された語句を外すと大きく減点されるという声
近年は、問題文で指定された語句や、条文・判例の決まった言い回しが書けていないと、大きく減点されたという声が結構あります。傾向は、あくまで予備校の講評や受験生の再現答案などから推測されているもので、公式の発表ではありませんので注意してください。
補正的措置との違い
「記述が甘い」と混同されやすいのが、補正的措置です。補正的措置は、問題が難しかった年に、合格基準点そのものを下げる仕組みです。記述の採点の甘さとは別の話なので、分けて考えましょう。
記述が0点になるのはなぜ?0点でも合格できる?
0点になりやすい答え方
採点基準は公表されていないので、ここからは推測です。0点になりやすいのは、次のような答え方だと考えられます。
- 問われていることに全く答えていない(「誰に」と聞かれているのに「何を」を書くなど)
- 結論の部分(請求の名前、判決の種類など)を間違えている
- セットで書くべき要素の片方しか書けていない(期間の起算点と年数など)
致命的なミスがあるとその設問が0点になりやすいんじゃないかなと思います。
私も平成29年度の民法の問題で、時効の起算点は書けたものの年数を間違え、その問題はおそらく0点でした。起算点と年数がセットで合っていないと、点はもらえなかったのでしょう。
記述0点のときに択一で必要な点数
記述が0点でも、択一式(多肢選択式を含む)だけで180点以上を取り、法令等と基礎知識の基準も満たせば合格です。択一式は全部で240点なので、記述なしで合格するには択一式で75%が必要になります。
| 区分 | 満点(記述を除く) | 基準 |
|---|---|---|
| 法令等(択一式・多肢選択式) | 184点 | 法令等全体(記述を含め244点)で122点以上 |
| 基礎知識(択一式) | 56点 | 24点以上 |
| 試験全体 | 240点 | 180点以上 |
※配点は令和7年度のものです。
科目ごとの目標得点の立て方は、次の記事で紹介しています。
あわせて読みたい:【行政書士試験対策】科目別目標得点と基本戦略【法令択一・一般知識・記述式】
最初から甘い記述式採点は期待しない
行政書士試験の記述式は年度により採点の厳しさが違うとして、じゃあ受験生としては何が出来るかという話です。
もちろん採点基準を決めるのは試験センター側です。受験生が出来る唯一の対策は、厳しい採点をされても問題ないようにしっかりと勉強しておくことしかありません。
最初から「記述式の採点は多少ポイントを外した解答でも部分点がたくさん貰える」と舐めてかかると、実際の採点が甘くなかった時に困ります。過去には1つのキーワードを書けてなかっただけでごっそりと減点された可能性が高い年度もあったようですしね。
先ほども書きましたが、記述式の採点の厳しさには、マーク式の問題の難易度も大きく関係してくると言われています(法令択一や基礎知識など)。記述式の採点が甘かったということは、その分他が難しめだったはずです。無条件で甘い記述式採点をしてもらえる年があるというわけではないと思いますので注意しましょう。
正確に解答すればどんな記述式採点の厳しさでもちゃんと点数はつく
厳しい採点でも、甘い採点でも、ちゃんと問われていることに正しく解答できれば高得点が取れます。語句などを正確に書ければ点の引きようがないので、厳しい採点でも恐れることはありません。
受験生に出来ることは本試験日までに可能な限り正確に解答出来るようにしっかりと勉強&暗記して準備することですね。
記述の対策と、覚えておくべき言い回しは、次の記事で紹介しています。
あわせて読みたい:【行政書士試験】行政法・民法 記述対策に暗記しておくべき条文・判例の重要キーワードや特有の言い回し
あわせて読みたい:【行政書士試験 記述式対策】行政法・民法の記述式問題を解く時の注意点
関連記事:【行政書士試験】行政法・民法の記述式対策はどうするべきか。おすすめ参考書・問題集は?【LEC?合格革命?】
試験後にやること:記述の自己採点と採点サービス
受験した後に自分が出来ることは、自己採点&予備校の講評動画視聴、合格可能性を予想してこれからどうするかを決める。そして、すぐに動き出すことくらいです。
キーワードごとに部分点を付ける自己採点のしかた
記述の自己採点は、次の3ステップで行うと、点数の幅をつかみやすくなります。

- 試験直後に、問題冊子のメモと記憶から自分の解答を再現する
- 予備校の解答例を、結論・要件・効果などのポイントで分けて考える
- キーワードごとに点を予想し、「厳しめ」と「甘め」の2通りの点数で合計する
キーワードへの配点は、予備校によっても違います。1つの点数に決めつけず、幅を持って見ておくのがおすすめです。
予備校の記述採点サービス
試験後には、LECやTACなどの予備校が、記述式の答案を採点してくれるサービスを行っています。今年の実施と申込方法は、各予備校のサイトで確かめてください。
私が使ったLECの採点は、実際の点数よりも低めでした。予備校の採点は、あくまで目安と考えておくとよいと思います。
合格発表までの過ごし方
自己採点の結果によって、合格発表までの過ごし方は変わります。もちろん、私のように、当分の間休憩するのもOKですね。
行政書士試験本番を終えた後にやることを紹介した記事はこちら。
関連記事:【行政書士試験】行政書士試験受験後にすること【解答速報で自己採点、予備校の記述式採点、本試験解説会など】
関連記事:【行政書士試験 自己採点】合格可能性別、合格発表日までのおすすめ過ごし方【合格濃厚・不合格濃厚・記述採点次第】
まとめ
- 記述式は3問・各20点の計60点。採点基準は公表されていない
- 採点の甘さ・厳しさは年度で違うと言われるが、あくまで受験生や講師などの推測
- 記述0点でも、択一式で75%(180点)取れば合格できる
- 甘い採点は期待せず、語句を正確に書けるように準備をするのが王道の対策
- 試験後は、キーワードごとに厳しめ・甘めの2通りで自己採点する
