行政書士試験の行政法は配点が一番高い科目なので、「どのテキストで勉強すればいいの?」と悩む人も多いと思います。この記事では、独学で合格した私が一番役立ったテキスト『国家試験受験のためのよくわかる行政法』を紹介します。
結論から言うと、行政法は1冊本(全科目が1冊にまとまった基本テキスト)より、この専門書を読み込むのがおすすめです。特徴と読み方、向いていない人、他にやった方がいい勉強までまとめます。
個人的には、行政書士試験に必須だと思っている超おすすめのテキストです。それではいってみましょう。
民法のおすすめテキスト『スー過去 民法』は、行政書士試験 独学 民法のおすすめテキスト・問題集「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 民法(スー過去)」択一も記述もこれでOKで紹介しています。
おすすめの過去問集は、【行政書士試験 過去問】「合格革命 行政書士 肢別過去問集」と「LEC 出る順行政書士 ウォーク問過去問題集」を比較、どっちがおすすめ?で紹介しています。
行政書士試験の行政法におすすめのテキスト「よくわかる行政法」
行政書士試験の行政法は、択一も記述式も、このテキストを何度も読み込んで覚えればほぼ完成します。
私は1回目の受験でも2回目の受験でも、ひたすらこのテキストを読み込んでいました。そのおかげで、行政法は得意科目というか、とても安定していました。(ケアレスミスでの失点はしましたが、このテキストには非はありません)
2回目の受験のために勉強を再開してからも、1ヶ月くらいで「もう行政法は大丈夫かな」と感じるくらいになりました。詳しくは行政書士試験の勉強経過報告記事に書いています。
最新版は第9版(2026年10月発行)
『よくわかる行政法』の最新版は、2026年10月に出た第9版です。出版社などの紹介では、判例を大幅に増補し、最新の地方自治法の改正に対応したとされています。
行政法は行政書士試験の最重要科目
行政法は、例年5肢択一式19問・多肢選択式2問・記述式1問が出題されます。配点は合わせて112点で、300点満点の3分の1を超えます。
行政法の実力が安定すれば、合格にかなり近づくことが出来ます。だからこそ、行政法には専用のテキストを用意する価値があります。
よくわかる行政法の特徴・おすすめな点
約456ページ、適度な余白で読みやすい
私が使った版は446ページでした。450ページそこそこの参考書なので、1日平均60ページ前後読めば1週間、40ページなら10日ちょいで1周出来ます。
また、ページ右に注釈スペースの余白があり、文字の大きさも適度な感じです。そのため、学者が書いた基本書のように「細かい字がビッシリでうんざり…」ということにはなりにくいです。『サクハシ』(櫻井敬子・橋本博之『行政法』)などですね。重要語句が青色で強調されているのも読みやすいですね。
1冊で地方自治法までカバー
行政書士試験の行政法では地方自治法も出題されるので、しっかりと勉強する必要があります。
いわゆる『サクハシ』など、学者の行政法のテキストでは、地方自治法があまり載っていないものもあります。このテキストは、地方自治法もちゃんと載っています。
行政書士試験の合格に必要な行政法の知識は網羅されている
『よくわかる行政法』には「国家試験受験のための」というタイトルがついています。内容を見る限り、「行政書士試験と公務員試験」がメインターゲットの参考書なのかなと思います。各項目の最後についている練習問題も、全て行政書士試験や公務員試験の過去問ですしね。
本の記述内容も、行政書士試験合格に必要な条文や判例知識は網羅されていると思います。したがって、この本を読み込んだ後の行政法の過去問演習は、初見でもかなり高得点が取れるはずです。当然、行政書士試験の過去問を参考にした上で本を作っているでしょうし、ある意味当たり前とも言えますね。
1冊本の基本テキストより網羅性が高い
LECや合格革命などから出ている、全科目が1冊に載っている基本テキスト(1冊本)より、網羅性が高いと思います。行政法(地方自治法を含む)のページ数を比べると、次のとおりです。
| テキスト | 行政法のページ数 |
|---|---|
| LECの行政書士基本テキスト | 約170ページ |
| 合格革命の行政書士基本テキスト | 約200ページ |
| よくわかる行政法 | 約450ページ |
※私が確認した当時の版の数字です。
最重要科目の行政法と民法は、1冊本ではなく、個別のテキストで勉強するのが絶対におすすめです。『よくわかる行政法』のような専門書ですね。
行政法だけでなく、基礎法学にも役立ちそうな章がある
1章は「公法と私法」や「法律の留保」「法源」「信義則」など、基礎法学でも出てきそうな法律の基本から始まります。基礎法学は何を勉強したら良いのかよく分からない、という人にもありがたいです。
説明や具体例などの記述が分かりやすい
『よくわかる行政法』は、とにかく説明がわかりやすいです。
行政法は、法律初学者には特に分かりづらい科目だと思います。この本は、具体例を挙げたり、なぜこういう法律が作られているのか(法律の趣旨や目的)を分かりやすく説明したりしてくれます。初学者でも問題なく読み進められると思います。各コラムや、本文の横に小さく書いてある注釈の内容も大事なので、しっかりと押さえておきましょう。
文体も講義調とまではいきませんが、堅すぎず良い感じで読みやすいです。分かりやすいと評判の行政法の学者本『サクハシ』よりも読みやすいです。内容も学者本ほど深入りしすぎていないので、行政書士試験には丁度いいボリュームです。
ちなみに、行政書士試験には『サクハシ』のような学者の書いた基本書や、『行政判例ノート』のような判例集も不要です。基本的には、『よくわかる行政法』に載っている条文・判例知識で十分合格できます。
あわせて読みたい:【行政書士試験 独学】『芦部憲法』『サクハシ行政法』など学者の基本書や『判例百選』は必要か?読まなくても合格できる?【学者本】
よくわかる行政法の読み方・使い方(私の進め方)
私は学習初期から、「毎日20〜30ページ」などと決めて読み込んでいました。初期はかなり時間がかかりました。
ですが、何周もするうちに、高速で読めるようになってきました。最終的には、1週間あれば余裕で1冊回せるようになっていました。最初は辛くても、毎日決めたページ数を読み続けるのがコツです。

よくわかる行政法が向いている人・向いていない人
『よくわかる行政法』が向いているのは、次のような人です。
- テキストを何度も読み込んで覚える「テキスト読み込み派」の人
- 行政法を得点源にして、点数を安定させたい人
- 過去問演習派で、調べ物用や知識の抜けチェック用の1冊がほしい人
一方で、中学・高校の社会の教科書のようなものを読み込む勉強法が、耐えられない・嫌いという人には向いていません。
よくわかる行政法の他にやった方がいい勉強
行政法(行政代執行法・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法)の条文素読
読み込みが進んでくると、少し冗長に感じてくる項目があります。「行政代執行法」「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」です。
なぜなら、(初学者にはありがたいのですが)ただの条文の説明がメインの記述だからです。別に気にならない人は、そのままテキストを読み込めば良いと思います。ですが、私は「これ、もう条文をそのまま読み込んだ方が早いな」と感じるようになりました。
そこで、上記の4つの法律の条文を印刷して、素読する勉強を開始しました。そこから直前期までは、条文素読している項目はテキストでは飛ばしていました。また、テキストにはこれらの条文すべてが載っているわけではないので、条文素読で自分の知識の強化にも繋がります。
準用関係(ある条文の規定を、別の場面にも当てはめること)などもややこしいので、意識して覚えることが大切です。私は、印刷した条文に準用関係を書き込んで、ひと目で分かるようにしていました。
あわせて読みたい:【行政書士試験 独学】憲法・行政法の条文読み込みはテキスト派にも過去問・問題演習派にも必須のおすすめ勉強法です【条文素読】
行政書士試験の過去問演習
『よくわかる行政法』で覚えたことを確認するために、1回は過去問を解いた方が安全かなと思います。行政法は毎年、過去問から10問ちょっとは出ている印象です。行政書士試験で1番過去問演習をする意味がある科目だと思います。国家賠償法は特に出題可能性が高いです。過去問以外の行政法の問題演習は不要だと思います。
行政書士試験の行政法の問題は、民法とは違って、テキストの知識がそのまま肢になって出てくることがほとんどです。したがって、テキストの読み込み学習が進んでいれば、初見でもサクサクと過去問が解けると思います。解けなかった問題はしっかりとピックアップして、自分の条文、判例知識の補強をしましょう。
私は、過去問に手を付けるまでに『よくわかる行政法』を何度も読んでいました。そのため、行政法の過去問は初見で大体の問題が解けました。
もちろん、記憶が曖昧な部分やケアレスミスした問題などもありました。それらはしっかりと復習したり、このサイトの行政法暗記まとめの記事に追加して覚えたりしていきました。これがとても効果的でした。自作の語呂合わせなどもあるので、よければ参考にしてください。
関連記事:【行政書士試験 行政法】区別して暗記しておきたい重要事項まとめ、整理(ゴロ合わせあり)
関連記事:【行政書士試験 行政法】行政事件訴訟法 処分性 原告適格 暗記用重要判例まとめ
行政書士試験の行政法記述式の対策もよくわかる行政法でOK?
基本的に、行政書士試験の行政法に必要な知識は、全て『よくわかる行政法』で修得出来ます。必要な行政法の知識自体は、択一式と記述式で特に変わりません。要は、択一式の勉強がそのまま記述式の勉強にもなっているということです。
私は1回目の行政書士試験で、記述の大失敗が響いて178点で不合格になってしまいました。それは記述式用の対策が出来ていなかったというより、単に行政法・民法の基本的な知識に曖昧な部分があったのが原因でした。
2回目の受験では、『よくわかる行政法』と『スー過去 民法』をしっかり読み込んで、知識の正確さを上げました。そのおかげで、記述式は60点中52点が取れました。
ただ、記述式の問われ方だけは、一度過去問などで見ておくほうが良いと思います(別に解かなくてもいいです)。「こんな感じで出る(聞かれる)のか」「こんなふうに答えるのか」を知っておきましょう。すると、テキストを読み込むときにも「このフレーズは記述で書かされるかも?」と意識して勉強できます。
関連記事:【行政書士試験】行政法・民法の記述式対策はどうするべきか。おすすめ参考書・問題集は?【LEC?合格革命?】
「問題演習をしないのは不安だ」という人は、LECや合格革命の記述式対策問題集を何か1冊使いましょう。私は、合格革命シリーズの記述式問題集を持っていました。重要条文や判例がまとまっているので、知識の確認にも結構おすすめです。問題は解きませんでしたが、解説を読んで、書けそうにないフレーズは覚えました。
まとめ
- 行政書士試験の行政法は、『よくわかる行政法』を読み込めば択一も記述もほぼ完成する
- 1冊本より網羅性が高く、地方自治法までカバー。説明も分かりやすい
- 毎日20〜30ページから始めて何周もすれば、1週間で1冊回せるようになる
- 教科書を読み込む勉強が苦手な人には向かない
- 最新版は第9版(2026年10月)。条文素読と過去問演習を組み合わせると効果的
何度も言いますが、行政書士試験の行政法は、このテキスト(参考書)を読み込んで覚えればほぼ完成です。私は本当にこの本のおかげで合格したと言っても過言ではありません。行政法の点数はめちゃめちゃ安定していましたしね。
テキスト読み込み派の人には、本当におすすめです。過去問演習派の人も、調べ物用や、条文・判例知識の抜けのチェック、総まとめなどに使えると思います。行政書士試験の受験生なら、一度は通読する価値のある参考書です。
言うまでもなく、行政法は行政書士試験の最重要科目です。行政法の実力が安定すれば、合格にかなり近づくことが出来ます。最初は辛いと思いますが、このテキストは本当におすすめなので、頑張って何度も読み込んでください。
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