行政書士試験 独学 行政法のおすすめテキスト「国家試験受験のためのよくわかる行政法」択一も記述もこれ1冊でほぼ完成します。

行政書士試験 独学 行政法のおすすめテキスト「国家試験受験のためのよくわかる行政法」択一も記述もこれ1冊でほぼ完成します。

おかげさまで、平成30年度行政書士試験に合格することが出来ました。(択一式182点、記述式52点、合計234点)

おめでとうメッセージ下さった方々、ありがとうございました。

行政書士試験に一番役立ったテキストを教えて」という質問があったので記事にしてみます。おすすめ参考書や過去問については、質問がなくてもそのうち記事にする予定でしたので、早速書こうと思います。

関連記事:平成30年度(2018年)行政書士試験 合格通知書のハガキで驚愕の事実が判明&記述の採点基準は?

民法のおすすめテキスト『スー過去 民法』はこちらの記事で紹介しています。

行政書士試験 独学 民法のおすすめテキスト・問題集「公務員試験 新スーパー過去問ゼミ 民法(スー過去)」択一も記述もこれでOK

おすすめの行政書士試験過去問集についてはこちらの記事をどうぞ「【行政書士試験 おすすめ過去問題集】 合格革命の肢別過去問集とLECの出る順行政書士ウォーク問過去問題集を比較、どっちがおすすめ?

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行政書士試験の行政法の対策におすすめのテキスト『国家試験受験のためのよくわかる行政法』


国家試験受験のためのよくわかる行政法

私の独学での行政書士試験対策で一番役に立ったテキスト(参考書)は、間違いなくこの『国家試験受験のためのよくわかる行政法』です。タイトルに偽りなく、かなりわかりやすい行政法の参考書です。

勉強計画の記事などでも書いていますが、行政書士試験の行政法は択一も記述式も、このテキストを何度も読み込んで覚えればほぼ完成します。

1回目の受験でも2回目の受験でも、ひたすらこのテキストを読み込んでいました。そのおかげで、行政法は得意科目というか、とても安定していました。(ケアレスミスでの失点はしましたが、このテキストには非はありません)

2回目の行政書士試験受験のために勉強を再開してからも、1ヶ月くらいで「もう行政法は大丈夫かな」と感じるくらいになりました。

詳しくは行政書士試験の勉強経過報告記事に書いています。

『国家試験受験のためのよくわかる行政法』の特徴・おすすめな点

全424ページ、適度な余白で読みやすい

400ページそこそこの参考書なので、1日平均60ページ前後読めば1週間、40ページなら10日で1周出来ます。また、ページ右に注釈スペースの余白があり、文字の大きさも適度な感じなので『サクハシ』などの学者が書いた基本書のように「細かい字がビッシリでうんざり…」ということにはなりにくいです。

重要語句が青色で強調されているのも読みやすいですね。

1冊で地方自治法までカバー

行政書士試験の行政法では地方自治法も出題されますので、しっかりと勉強する必要があります。

いわゆる『サクハシ』など、学者の行政法のテキストでは地方自治法があまり載っていないものもありますが、このテキストは地方自治法もちゃんと載っています。

行政書士試験の合格に必要な行政法の知識は網羅されている

『よくわかる行政法』には「国家試験受験のための」というタイトルがついていますが、内容を見る限り「行政書士試験と公務員試験」がメインターゲットの参考書なのかなと思います。各項目の最後についている練習問題も、全て行政書士試験や公務員試験の過去問ですしね。

本の記述内容も、行政書士試験合格に必要な条文や判例知識は網羅されていると思います。したがって、この本を読み込んだ後の行政法の過去問演習は、初見でもかなり高得点が取れるはずです。当然、行政書士試験の過去問を参考にした上で本を作っているでしょうし、ある意味当たり前とも言えますね。

LECや合格革命などから出ている、1冊で全科目載っている行政書士試験の基本テキスト(1冊本)より網羅性が高いと思います。

1冊本の行政法(地方自治法含む)のページ数は、LECの行政書士基本テキストでは約170ページ、合格革命の行政書士基本テキストでは約200ページくらいしかありません。一方、『よくわかる行政法』は約400ページです。

行政書士試験の最重要科目である行政法と民法は基本テキスト(1冊本)ではなく、『よくわかる行政法』のように個別のテキストを用意して勉強するのが絶対におすすめです。

行政法だけでなく、基礎法学にも役立ちそうな章がある

1章は「公法と私法」や「法律の留保」「法源」「信義則」など、基礎法学でも出てきそうな法律の基本から始まります。

説明や具体例などの記述が分かりやすい

『よくわかる行政法』はとにかく説明がわかりやすいです。

法律初学者には特に分かりづらいであろう行政法を、具体例などを挙げたり、なぜこういう法律が作られているのか(法律の趣旨や目的)を分かりやすく説明してくれるので、初学者でも問題なく読み進められると思います。各コラムや、本文の横に小さく書いてある注釈の内容も大事なのでしっかりと押さえておきましょう。

文体も講義調とまではいきませんが、堅すぎず良い感じで読みやすいです。分かりやすいと評判の行政法の学者本『サクハシ』よりも読みやすいですし、内容も学者本ほど深入りしすぎたりしていないので行政書士試験には丁度いいボリュームです。

ちなみに、行政書士試験には『サクハシ』のような学者の書いた基本書や、『行政判例ノート』のような判例集も不要です。基本的には、『よくわかる行政法』に載っている条文・判例知識で十分合格できます。

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行政書士試験対策で『よくわかる行政法』の他にやった方が良いおすすめの勉強

行政法(行政代執行法・行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法)の条文素読

『国家試験受験のためのよくわかる行政法』の読み込み学習が進んでくると、「行政代執行法」「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」の項目が少し冗長に感じてきます。

なぜなら、(初学者にはありがたいのですが)ただの条文の説明がメインの記述だからです。別に気にならない人はそのままテキストを読み込めば良いと思いますが、私は「これ、もう条文をそのまま読み込んだ方が早いな」と感じるようになりました。

そこで、上記の4つの法律の条文を印刷して素読する勉強を開始しました。そこから行政書士試験の直前期までは、条文素読している項目はテキストでは飛ばしていました。また、テキストにはこれらの条文すべてが載っているわけではないので、条文素読をすることで自分の知識の強化にも繋がります。

準用関係などもややこしいので、意識して覚えることが大切です。私は印刷した条文に準用関係を書き込んでひと目で分かるようにしていました。

行政書士試験の過去問演習

『よくわかる行政法』テキスト(参考書)で覚えたことを確認するために、1回は過去問を解いた方が安全かなと思います。行政法は毎年過去問から10問ちょっとは出てますので、行政書士試験で1番過去問演習をする意味がある科目です。国家賠償法は特に出題可能性が高いです。過去問以外の行政法の問題演習は不要だと思います。

『よくわかる行政法』『合格革命肢別過去問』「行政○○法の条文読み込み」の3つが完璧に仕上がり、民法の『スー過去 民法』も仕上がった上で、「どうしても不安だから、もっと行政法を勉強したい」という場合は『公務員試験 過去問解きまくり!行政法(旧クイックマスター)』を追加すると良いと思います。個人的には不要だと思いますが…。

行政書士試験の行政法の問題は、民法とは違ってテキストの知識がそのまま肢になって出てくることがほとんどです。したがって、テキストの読み込み学習が進んでいれば、初見でもサクサクと過去問が解けると思います。

解けなかった問題はしっかりとピックアップして自分の条文、判例知識の補強をしましょう。


合格革命 行政書士 肢別過去問集 2021年度 (合格革命 行政書士シリーズ)

正直なところ、私は過去問を解くというか、問題を解く勉強があまり好きじゃないので、過去問を通して何度も解いたりはしませんでした。全問通して解いた回数は1回です。使用したのは合格革命の『行政書士肢別過去問集』です。

そのかわり、過去問に手を付けるまでに『国家試験受験のためのよくわかる行政法』は何度も読んでいましたので、行政法の過去問は初見で大体の問題が解けました。

もちろん、記憶が曖昧な部分やケアレスミスした問題などもありましたので、それらはしっかりと復習したり、このサイトの行政法暗記まとめの記事に追加して覚えていきました。これがとても効果的でした。

下にリンクを貼っておくので、よければこちらも参考にして下さい。自作の語呂合わせなどもあります。

【行政書士試験 行政法】区別して暗記しておきたい事項まとめ整理

【行政書士試験 行政法】行政事件訴訟法 処分性 原告適格 暗記用重要判例まとめ

行政書士試験の行政法記述式の対策も『よくわかる行政法』でOK?

基本的に、行政書士試験の行政法に必要な知識は、全て『よくわかる行政法』で修得出来ます。必要な行政法の知識自体は択一式と記述式で特に変わりません。要は、択一式の勉強がそのまま記述式の勉強にもなっているということです。

私は、1回目の行政書士試験は記述で大失敗して178点不合格になってしまったのですが、それは記述式用の対策が出来ていなかったというより、単に行政法・民法の基本的な知識に曖昧な部分があったのが原因でした。

2回目の受験では『よくわかる行政法』と『スー過去 民法』をしっかり読み込んで知識の正確さを上げたおかげで、記述式は60点中52点が取れました。

ただ、行政書士試験の記述式は、(別に解かなくてもいいので)問われ方だけは一度過去問などで見て知っておくほうが良いと思います。「こんな感じで出る(聞かれる)のか」「こんなふうに答えるのか」というのを知っていると、テキストの読み込みのときにも「このフレーズは記述で書かされるかも?」と意識して勉強することが出来ます。

関連記事:【行政書士試験】行政法・民法の記述式対策はどうすれば良いか。どの参考書・問題集がおすすめか

「問題演習をしないのは不安だ」という人は、LECや合格革命の記述式対策問題集を何か1冊使いましょう。私は「合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 2021年度 (合格革命 行政書士シリーズ)」このシリーズの記述式問題集を持っていました。

重要条文や判例がまとまっているので、知識の確認にも結構おすすめです。問題は解きませんでしたが、解説を読んで書けそうにないフレーズは覚えました。

最後に

何度も言いますが、行政書士試験の行政法はこのテキスト(参考書)を読み込んで覚えればほぼ完成です。

テキスト読み込み派の人には本当におすすめですし、過去問演習派の人にも調べ物用や条文や判例知識の抜けのチェックや総まとめ的に使用出来ると思います。行政書士試験受験生なら一度は通読する価値のある参考書です。

言うまでもなく、行政法は行政書士試験の最重要科目です。行政法の実力が安定すれば合格にかなり近づくことが出来ます。最初は辛いと思いますが、このテキストは本当におすすめなので頑張って何度も読み込んで下さい。

行政書士試験対策におすすめの参考書・問題集・過去問集、勉強法・勉強計画、私の行政書士試験受験体験記(178点不合格、234点合格体験記両方アリ)は、こちらの「行政書士試験対策・受験体験記」で全て公開しています。

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