【行政書士試験】行政書士試験は過去問だけで合格できる?足りない?【独学】

【行政書士試験】行政書士試験は過去問だけで合格できる?足りない?【独学】

「行政書士試験は過去問だけで合格出来るのか」

行政書士試験の受験を決めて勉強計画を立てる段階で、誰もが一度は疑問に思うことではないでしょうか。

過去問をしっかりと勉強するだけで確実に試験に合格できるならそれに越したことはありませんよね。試験対策が過去問回しだけで済むなら、勉強の負担もかなり減りますし。実際そういった対策で十分安定して合格出来る試験もたくさんあると思います。

では、行政書士試験はどうなのでしょうか。定期的に「過去問だけで挑むつもりなんですけど、どうでしょう」という質問もいただきますので、今回はこの疑問について私の考えを紹介します。

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行政書士試験は過去問演習だけでも合格できるのか?

結論を先に申しますと、行政書士試験は過去問演習だけでも合格出来ると思います。実際に過去問学習で合格した人もたくさんいるでしょう。

ただ、過去問演習だけでは「ほぼ毎回合格できる」というような、安定して合格するレベルに達するのは少し難しいのではないかと考えています。過去問回し以外も取り入れた勉強(例えば、このサイトで私がおすすめしている勉強計画など)に比べて、合否は運の要素がかなり強くなると思います。

過去問だけでも、本番の運次第では十分に合格できるレベルには達する」と言ったほうが正確かもしれません。勝負には十分なるという感じですね。

この「運」とは

  • 過去問知識で解けない問題のマーク運
  • 記述式問題の出題運
  • 一般知識等の出題運

以上の3つです。これらの運がある程度良ければ過去問のみの学習でも、行政書士試験に十分合格できると思います。

行政書士試験の過去問知識で解けない問題のマーク運

行政書士試験の過去問の知識で確実に取れる問題は4割程度(※)です。一番多く過去問から出題されていると思われる行政法ですら6割前後の出題(※)です。行政書士試験の最重要科目の片割れである行政法で、確実に取れるのが6割程度ではかなり不安ですね。これはもちろん、過去問知識で取れる問題を「全問正解」したという仮定での話です。※合格革命千問ノック、伊藤塾解法スキル完全マスターに載っていた情報です。

「え、行政書士試験って6割取れば合格でしょ?」と思った人は、こちらの記事をどうぞ。

関連記事:【行政書士試験】「行書は6割取れば合格」の罠【合格基準点・180点】

ただ、上記の話は過去問知識で確実に取れる問題が4割程度というだけであって、実際はマーク式なのでもう少し取れると思います。そこに本番の運が絡んできます。

過去問知識で正解を確定出来ない問題は、過去問知識に加え元々の自分の知識や現場思考により正解を選ぶか、選択肢を絞れれば最高で2択、全く絞れなければ5択の運任せになってしまいます。正解を1つに絞れない場合は、50%~20%の確率で当たる、4点貰えるくじ引きみたいなもんですね。(記述はまた別ですが)

出題も含め、これらのある意味「運に任せた問題」たちがうまく正解していれば合格出来る可能性が高くなりますし、たくさん外してしまえば不合格になってしまう可能性が高くなります。

その「運まかせになってしまう問題」の割合が過去問だけの学習ではどうしても多くなってしまいます。

この当たりの話をもう少し考えた記事も書いています「行政書士試験に過去問だけで合格する可能性はどれくらいあるのか?

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行政書士試験の記述式問題の出題運

行政書士試験の記述式問題で、過去問学習で自分が仕入れた知識で書ける問題が出題されれば合格できる可能性はグッと高くなります。ここはかなり重要です。

しかし、過去問で出た論点が記述にうまく出れば良いのですが、確実に出るというわけではありません。したがって、やはり運の要素が強いです。過去問のみの学習では、記述問題で自分が書けそうな問題が出る可能性も低くなってしまいます。

例えば、令和元年行政書士試験の民法記述式の問46(第三者のためにする契約)は、過去問知識では書けない問題だと思います。しかし、過去問以外にこのサイトでもおすすめしている『スー過去』もしっかりと勉強していた人にとっては書ける問題でした。

同様に、行政法記述式問44も、このサイトでおすすめしている行政手続法の条文読み込みをしている人にとっては書ける問題でしたが、過去問だけで行政書士試験対策を進めてきた人には厳しかったと思います。

つまり、令和元年の記述式は過去問だけで勉強した人にとって、20点前後しか得点出来ない可能性が高いということです。20点未満ということも十分ありえます。そうなると択一でその分しっかりと得点しなくてはいけません。

簡単に言うと、行政書士試験の過去問だけでは学習範囲を絞りすぎているということです。当たり前の話なのですが、「過去問回しを何十周しようが、過去問知識で解けない問題は解けるようにはなりません」これは択一式の問題にも言えることです。

行政書士試験の記述式はかなり大きな配点(60点)がされています。全く書けない問題が出てしまうと致命傷になりかねないので、事前に行政法も民法も出来るだけまんべんなく勉強しておくのがおすすめです。自分の知識が増えれば増えるほど、記述で書ける問題も増えていきます。

どの程度まで手を広げるかは人によりますが、私のおすすめはこのサイトの記事で全て公開しています。良かったら参考にして下さい。

関連記事:【行政書士試験 独学】おすすめ勉強計画、参考書・問題集・過去問、合格に必要な勉強時間など【予備校講座】

行政書士試験の一般知識等問題の出題運

このサイトでも何度も書いているように、最近の行政書士試験の一般知識等は個人情報保護法など一部を除き、事前対策の意味がほとんどありません。過去問学習もほとんど意味がありませんので、私は一般知識等の過去問は一切解きませんでした。

しかし、その一方で、(自分にとっての)常識で解ける問題や、その場で考えれば解ける問題、常識や現場思考で選択肢を絞れる問題がたくさん出るという年もあります。そういう年に当たれば、一般知識で10問以上正解して点数を稼ぐことが出来ます。

これは過去問のみで勉強した人かどうかで運要素の差はありませんが、やはり試験当日の運任せになってしまいます。

関連記事:行政書士試験 一般知識対策 足切りを回避するために絶対にやっておいた方が良いおすすめの勉強(文章理解・情報通信・個人情報保護)

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最後に

私は「可能な限り合格の可能性を上げたいなら、過去問だけで本試験に挑むのはやめた方がいい」と思います。

もちろん試験なので、どんな勉強をしても運の要素は必ずあります。しかし、事前にしっかり対策・準備をすることにより、運の要素を減らしていくこともできると思います。特に試験までの勉強期間が十分にある場合は、過去問回しに固執せずよく考えて教材を選びたいですね。

  • 試験までの時間がなく、本当に過去問しかやる時間がない
  • 仮に本番の運が悪くて落ちても後悔しないので負担は少ない方法が良い

こういう考えの人などは過去問だけで本試験に挑むのも止めません。

後で後悔をしないように、自分が試験の準備(勉強)に費やす労力と、その準備の結果、合格が運にどのくらい左右されるのかを天秤にかけて、「このくらいの労力でこのくらいの合格可能性が見込めそうなら十分」と思える選択をしたいところですね。

関連記事:【行政書士試験 おすすめ過去問題集】 合格革命の肢別過去問集とLECの出る順行政書士ウォーク問過去問題集を比較、どっちがおすすめ?

行政書士試験対策におすすめの参考書・問題集・過去問集、勉強法・勉強計画、私の行政書士試験受験体験記(178点不合格、234点合格体験記両方アリ)は、こちらの「行政書士試験対策・受験体験記」で全て公開しています。

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