行政書士試験合格後から行政書士新規登録申請・事務所開設までの流れ【開業準備】

行政書士試験合格後から行政書士新規登録申請・事務所開設までの流れ【開業準備】

「行政書士になりたい!」

「行政書士試験に合格した、さあ開業しよう!」

と思っても、いったい何から手を付けていいのかよく分からないという人も多いと思います。そんな人のために、行政書士試験合格から行政書士新規登録・事務所開設・開業までの流れをざっと紹介します。私も実際こんな流れで開業しました。

この記事では、一番オーソドックな「個人開業」について紹介します。行政書士法人に所属する場合などは少し必要書類が変わってきますので注意して下さい。

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行政書士試験合格発表から行政書士新規登録申請・事務所開設・開業までの流れ

  1. 行政書士試験合格
  2. (人により)開業資金の金策
  3. 事務所をどこに開設するかを決める
  4. 事務所の所在地の都道府県の行政書士会のホームページの行政書士新規登録申請の手引きを読む
  5. 事務所予定建物の事務所としての使用権限があるかを確認→「住居用」の契約の場合などは所有者の使用承諾書の取り付けが必要
  6. 事務所予定場所が行政書士事務所として適格性があるかどうかの確認→判断が微妙な場合は必ず行政書士会へ確認
  7. 行政書士新規登録に必要な書類の収集
  8. 行政書士新規登録に必要な申請書類の作成(事務所の写真撮影含む)
  9. 行政書士会へ新規登録申請の予約の電話→申請書提出
  10. 事務所予定場所の現地調査(ここまでに事務所備品を揃える)
  11. 行政書士登録完了(ホームページはここで公開)
  12. 行政書士登録証交付式(ここまでに名刺・職印・表札を作っておく)
  13. 開業届・青色申告承認申請書・事業開始申告書提出
  14. 事務所専用の銀行口座開設

ざっとこんなスケジュールになると思います。一つずつ少し説明を加えていきます。

行政書士試験合格

行政書士になりたいと思っても、まずは行政書士試験に合格して行政書士となる資格を得ないことには話になりませんね。まだ合格していない人は頑張って勉強して、この第一関門を突破しましょう。このサイトでも行政書士試験対策記事がたくさんありますので参考にして下さい。

試験合格の他にも公務員歴や、他の士業資格(税理士など)を利用しての行政書士登録も出来ます。その場合は、行政書士試験に合格する必要はありません。

また、行政書士試験合格発表後に行政書士会によっては試験合格者へ向けての新規登録説明会が行われます。しかし、出席しなくても全く問題なく新規登録申請出来ます。私もこの説明会には出席はしていません。

関連記事:行政書士試験勉強計画・対策・受験体験記

開業資金の金策

行政書士として仕事をするには、日本行政書士連合会と各都道府県の行政書士会に登録をしなければいけません。そして、登録するのにはお金がかかります。しかも結構な額のお金がかかります。所属する行政書士会によりますが、2桁万円は絶対にかかります。入会金だけでも20万円以上かかったりします。

もし、貯金がゼロという人はまず開業資金を何とかして用意しましょう。行政書士事務所を開くのにどのくらいのお金がかかるかは「行政書士開業準備 その2 事務所開業資金はどれくらい必要?新規登録申請の費用はいくら?」こちらの記事で紹介しています。

行政書士事務所をどこに開設するか・自宅兼事務所か賃貸事務所かを決める

事務所の所在地でどの都道府県の行政書士会に新規登録申請をするかが決まるので、よく考えて決めましょう。

基本的に大都市の行政書士会は研修が充実してたり、会員数が多いというメリットがあります。その反面、競争も激しいとも言えそうですが。

また、自宅を事務所とすることも可能ですし、賃貸事務所を新しく契約して事務所にすることも出来ます。どちらも一長一短なのでよく考えましょう

関連記事:行政書士開業準備 その1 自宅兼事務所か賃貸事務所か

事務所予定建物に事務所としての使用権限があるか・適格性があるかを確認

自分が所有する建物を事務所として使用する場合は問題ありません。問題になるのは賃貸物件を自宅兼事務所として開業するつもりのケースなどですね。賃貸契約が「住居用」となっている場合などは、所有者の使用承諾書の取り付けが必要になったりするので注意が必要です。

事務所の適格性があるかどうかも重要です(適格性は手引きなどを見れば書いてあると思います)。自宅兼事務所の場合や、同じ部屋に他の会社が入っていたりする場合は独立性が保たれているかどうかも注意が必要ですね。

例えば、自宅兼事務所の場合、「事務所として予定している部屋へ生活スペースを通らないとたどり着けない」などの場合は独立性が保たれていないと判断される可能性があります。パーティションなどで仕切ったりすればOKになったりもするので、事前にしっかりと行政書士会の担当者と相談しておく必要があります。

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都道府県行政書士会のホームページの行政書士新規登録申請の手引きを読む

事務所の場所を決めたら、その都道府県の行政書士会のホームページを見に行きましょう。「新規登録したい方へ」みたいなページがあると思いますので、行政書士新規登録申請の手引きなどをダウンロードして読みましょう。

どんな書類を用意すればいいのか、どのように申請書を書けばいいのかなどが書いてあります。

この「手引きを読む」という行動は行政書士としてとても大切なことなので覚えておきましょう。

行政書士新規登録に必要な書類の収集

  • 住民票
  • 身分証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 建物登記簿謄本
  • 証明写真

などを役所等に取りに行きます。こういう申請に必要な書類収集のため、いろんな役所に出向くのは行政書士っぽい動きですね。人によって必要な書類が少し変わってきます。

上記の身分証明書というのは、本籍地のある市区町村の役所で発行してもらう「禁治産・準禁治産、成年後見の有無、破産の有無を証明」です。欠格事由に該当しないことの証明をするための書類ですね。運転免許証などのことではないので気をつけて下さい。

登記されていないことの証明書は法務局へ取りに行きます。

証明写真はたくさん必要なので、予めサイズと枚数を確認しておきましょう。服装はスーツが無難です。私服の写真でも申請は受け付けてもらえますが、行政書士証票(カード)の写真にもなりますので、ちゃんとした格好で撮っておいたほうがいいと思います。

あと、写真を撮りに行ったついでに、証明写真機からマイナンバーカードを申請しておくといいと思います。電子定款認証業務に必要な電子証明書にもなりますし、自分の確定申告を電子申告(e-Tax)でするためにも必要です。マイナンバー通知書があれば、証明写真機を使って申請出来ます。

行政書士新規登録に必要な申請書類の作成

新規登録費用(行政書士会入会金など)と事務所の目処がついたら、いよいよ申請書類を作ります。

行政書士会や人によって違うかと思いますが、10を軽く超える数の書類を作る必要があり、結構めんどくさいです。しかし、特に難しいというものでもないので、手引きを見ながら頑張って作成していきましょう。

ここでは、最寄り駅から事務所位置図や、事務所の建物平面図(間取り図や事務所内の配置図)を書いたり、事務所の写真(建物~事務所)を撮ったりします。地図や平面図はパソコンで作る簡単なものでOKです。写真はスマホで撮ったものをパソコンに取り込むか、コンビニなどで印刷したものを貼り付けます。

関連記事:行政書士開業準備 新規登録申請書類「事務所の位置図(略地図)」の書き方

行政書士会へ新規登録申請の予約の電話

申請書類が完成したら、行政書士会へ電話し新規登録申請したい旨を伝えて、申請書類と入会金などを行政書士会へ持っていきましょう。いきなり持っていっても受け取ってもらえないところもあると思うので予め電話でアポを取りましょう。

初めて行政書士会へ足を踏み入れた時は少し緊張しました。

事務所予定場所の現地調査

行政書士新規登録申請書を行政書士会へ提出したら、次は事務所の現地調査です。行政書士会の担当者の方が実際に自分の事務所まで来ます。

関連記事:行政書士開業準備 事務所の現地調査の流れ、所要時間、必要な備品などは?

この現地調査までに事務所の備品はある程度揃えておきましょう。私は事務机など、流用できるものは流用して費用を出来るだけ抑えました。

関連記事:行政書士開業準備 その4 固定電話機・FAX、プリンタ・コピー機(複合機)はどんなものを選ぶのがおすすめか【レーザー?インクジェット?】

関連記事:行政書士開業準備 その6 おすすめの鍵付き書庫(キャビネット)・書類棚(レターケース)・本棚

行政書士登録完了(ホームページはここで公開)

現地調査が終わったらあとは待つだけです。だいたい1ヶ月前後で行政書士登録が完了します。もし、書類や写真などに不備があれば行政書士会から連絡がきます。

行政書士としての登録が完了したら晴れて行政書士として活動が出来るようになります。「行政書士」の肩書が入った名刺も配れますし、ホームページも公開出来ますし仕事も取れます。

しかし、この時点では業務の知識が全くないことも普通ですし行政書士証票(カード)や職印登録もしてないので、仕事はまだ完了できない人が多いと思いますが。

行政書士会が実施している各種業務研修にも参加することが出来るようになります。私も登録後はたくさん研修を受けに行きました。

行政書士登録が完了したらすぐに行政書士賠償責任補償制度にも加入しておきましょう。補償内容にもよりますが、年間2万くらいの掛け金です。当然、自動車の任意保険と同じで使わないに越したことはありませんが、もしもの時の備えとして。過去には行政書士のミスにより、数百~数千万円の賠償金が必要になった事例もあります。私は加入していますが、まだ一度もお世話になってはいませんし、これからもそういう事態にならないよう気をつけていこうと思います。

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行政書士登録証交付式(授与式)

行政書士登録が完了すると、行政書士登録証というものをもらうための式があります。そこで行政書士会の会長などから話を聞いたり、同期と対面したりできます。職印の登録もここで出来ます。

関連記事:行政書士登録証交付式(授与式)に向けての準備、服装、持ち物など当日の注意点

遅くとも、この行政書士登録証交付式(授与式)までに名刺・職印・表札を作っておきましょう。表札は「○○行政書士事務所」「行政書士○○事務所」のような看板のことです。行政書士事務所の入り口に取り付けておく必要があります。素材やサイズなどは決まっていないので、控えめなプレートを貼り付けてるだけの人や、巨大な看板を掲げている人など、それぞれですね。

関連記事:行政書士開業準備 その5 印鑑・ハンコを用意する(職印・銀行印・認印・ゴム印)おすすめの書体・サイズは?

開業届・青色申告承認申請書・事業開始申告書提出

行政書士登録が完了したら、開業届・青色申告承認申請書・事業開始申告書を税務署や税事務所などに提出しましょう。期限もあるので登録が完了してすぐ書類を作って提出すると良いと思います。

関連記事:行政書士開業準備 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)・青色申告承認申請書・事業開始申告書の提出期限と書き方・注意点

事務所専用の銀行口座開設

行政書士事務所専用の銀行口座を作っておきましょう。報酬の振込先などにします。その時、ぜひ「屋号付きの銀行口座」を作りましょう。「○○行政書士事務所 誰々」のような名義の口座です。

今まで使っていた個人名の普通の口座でもいいのですが、仕事とプライベートのお金の出入りを区別するのが面倒ですし、口座名にも事務所の名前が入っていた方がテンションが上がります。

関連記事:行政書士開業準備 行政書士事務所用の屋号付き銀行口座(営業性個人口座)を作る

行政書士試験合格後、最速で開業するには

一刻も早く行政書士登録をして開業したい、という人は、合格が確定したらすぐにこの記事で紹介した事務所探し、申請書類の作成と必要書類集めに取り掛かりましょう。そして、行政書士試験の合格証(合否通知書のハガキではありません)が送られてきたら、すぐに行政書士会へ新規登録申請の電話を入れられるようにしておきます。申請者が多い時期で順番待ちなどあるかもしれませんが、うまくいけば2月中に申請が出来ると思います。

毎年2月~4月くらいまでは新規登録者が多いらしいので、同期がたくさん欲しい人はその時期を狙うといいですね。私の場合ですと同期は20人くらいだったと思います。

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最後に

行政書士になろうと思ってから、実際に行政書士として開業するまでの流れはだいたいこんな感じです。細かく言うともっとありますが、それはまた「行政書士開業準備の記事一覧」で少しずつ紹介しようと思います。

行政書士新規登録申請が終わって登録が完了するまでの間に、自分で出来る範囲で良いので業務の勉強をしてみるのもいいと思います。例えば、行政書士定番の許認可業務の建設業許可などはどうでしょうか。

関連記事:【行政書士開業】建設業許可申請業務の覚え方・学び方(手引き・研修・本・ネット)【実務経験なし】

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